Z系を含むキャブレター仕様のオートバイにインジェクションシステムを組む際使用するホース仕様についてお問い合わせをいただきましたので、ここに纏めておきます。
ホース類の内径について。
フューエルポンプをタンク外に置くインライン方式の場合、キャブレターに比較して遥かに多くのガソリンを循環させる必要があります。
オートバイ用に推奨する容量のフューエルポンプを使用したシステムの場合、メイン部分のホース内径は必ず8mm以上のものを使用して、ホースに挿し込むフィッティング等を含めての内穴径も可能な限り6mm以上を推奨します。当方の経験上ではニップル等の内径で5mm以下になる部分があると抵抗になりガソリン流量の低下を招きますので、内径を大きなものにするか加工を推奨します。
フューエルタンクを加工して内部にフューエルポンプや燃圧レギュレータ―を含むポンプアッシを設置するインタンク方式にした場合は、ホース内はエンジン側で消費する量のガソリンのみしか流れない為、内径は6mmでも問題はありません。
耐圧ホースについて。
キャブレター車をフューエルインジェクション化する際、インジェクターより噴射する為の燃圧がかかる部分には耐圧燃料ホースを使う必要があります。

耐圧燃料ホースは圧力で広がって裂けたりしない様、ナイロンメッシュ等の繊維で補強されています。

Z系等のキャブレター車でインジェクションシステムを組む場合、ポンプの発熱や消費電流を考慮して燃圧は3bar迄で設定する事が多いのですが、耐圧性は安全率を考慮して10bar(1.0MPa)以上のものを推奨としています。
これらフューエルポンプ以降の燃圧がかかる部分のホースは挿し込み部分に必ずカシメバンドかクランプバンドを使用してしっかり抜け止めの対策を行う必要があります。
プレッシャーレギュレーターからフューエルタンク側へのリターンホースについて。
正常であればここには本来それ程高い圧力はかかりませんが、タンク側のワンウェイバルブの不調等何かの理由でタンクへのガソリン戻りが悪くなった際にポンプからの圧力が上昇して裂けたり抜けたりのトラブルを防止する為、耐圧ホースを使用します。
フューエルタンクからストレーナーやポンプ迄のフィード用ホースについて
フューエルポンプの吸い込み口以前のホースは、内部が正圧にはならない為にそれ程耐圧性を考慮する必要は無く、2重構造になっている若干肉厚のものであればキャブレター用に使われている物で問題はありません。抜け止めに関しても通常のクリップタイプが使えます。
但し、取り回し時にフロー悪化が起きない様にキャブレター以上の注意が必要で、ポンプ前のホースを強く曲げて繋げるとフューエルポンプが吸い込み時に発生するマイナス圧でホースに潰れが発生し易くフロー低下を招きます。
ちなみに先日の記事でサイドカバー内に設置したストレーナーフィルターへの接続はレイアウトの関係で一般のホースでは潰れてしまう為、キャブレター車両用の純正フューエルホースで予め曲げた状態で製作されているものを使用しています。

上側はこの様に90°、下側はマウントプレートを回避する為に斜めに2回曲がっているものです。いずれも純正部品の流用ですが、肉厚で新品時から曲げてある為に潰れません。


こちらのフューエルポンプに使っているホースは90°曲がっているものを使っています。

この様な曲がりフューエルホースは検索すれば流用可能な純正品や社外品でも色々と出てきますが、どうしても見つからない場合はご相談もお受けします。






