今月よりデリバリーを開始しました、ASウオタニ フルパワーキット用CRキャブレターTPSセット。

消費税別¥38,000です。
ちなみに、Z用フルパワーキットにTPSを装着した場合に効果が出るのは、ストリート走行での大部分を占めるアクセル開度1/3~2/3迄の低負荷走行や高速道路での巡航走行時です。
実際のどの様に違いが出ているのか、実際に測定したデータを参考例として公開します。
車両スペックは
Z1
エンジン Pistal Racing 70mm piston 圧縮比10.5:1
カムシャフトPams 01 camshaft 組み込み
実測測定圧縮圧力 14.0~14.1㎏/㎠
キャブレター CR29mm TPS 装着
イグニッションシステム
ASウオタニフルパワーキット Ver.PAMS シングルプラグタイプ
点火カーブダイヤル8番
ダイナモ測定最高出力値
98.22ps 8,200rpm時
9.05㎏/m 6,070rpm時

ちなみに、上のグラフはTPSを装着しない場合のベーシックな2Dマップカーブ。
装着した場合は下の3Dマップで動作する様になります。
TPSを装着して点火時期補正を行うのはスロットル開度2/3迄で、それ以上の高負荷走行や全開時と全閉時は2Dマップの数値と同じです。従って全開で測定するピークパワーがアップする物ではありません。

この車両をシャーシダイナモに載せ、巡航走行の低負荷状態を再現する程度に僅かな負荷をリターダーでかけつつトップギアにて回します。
まずTPSの信号コードを接続せず、非装着状態でローラーの回転速度が101km/hに安定したところでアクセル開度を固定し、10秒間程の間の出力とトルクを測定したデータが赤とオレンジのラインです。
更にアクセル開度を維持したままTPS信号コードを接続し、点火時期補正機能を働かせた際のデータが青と水色のラインです。

オレンジと水色が速度です。
アクセル開度は固定したまま不動で、TPS非接続のオレンジは速度がほぼ一定のままとなっているのが、TPSを接続した水色のラインは104.89km迄速度が上がりました。
又、走行中の出力馬力は、TPS使用時の青いラインが非使用時の赤いラインより全体的に上回っている事がはっきりとわかります。(データラインが波打つのは、ダイナモのリターダーブレーキの介入間隔やスプロケットやチェーンの当たりが完全には均一でない為です)
今回測定のTPS装備による出力向上は0.2~0.3ps程度のものではありますが、オートバイが高速道路等を一定速度を維持して走行している際に必要なパワーは僅か数馬力ですので割合として無視できない差です。もちろんその速度迄加速したりその時間を縮める為にはより大出力が必要ですが、一度出した速度を維持するのであれば駆動ロスや路面との摩擦に空気抵抗を上回れば良い為です。
例えば60km/hで平地を巡航し続けるのに必要なパワーは2psを切る程とされています。
この様にTPS装着はストリートで使用率の高い低負荷走行領域にて特に有効で、正しくセッティングされていればチューニングエンジン,STDエンジンでも同じ様に効果が現れます。
実際に高速道路等をゆっくりと低開度で走行しながらテストすると、TPSを接続した瞬間にバイクが前に転がり出て行く出て行く様な感覚になります。
燃焼効率も向上する為、特にツーリング等の走行時には燃費の向上も見込めます。
ご購入とセットアップについて
キャブレター脱着を行いセットを組み込み、調整やセッティングには電圧テスターを使用する等の技術的スキルが必要となります。
TPS装備による効果を発揮させるには、キャブレターの空燃比セッティング及び組み込み前の点火時期が正しくセットアップされている車両である事が前提です。それらが良好でない状態でのご使用はむしろエンジンを痛める可能性もあります。
この為、当セットはエキスパートユーザー向けテクニカルパーツとしての扱いとなります。
ご質問やご購入お申込みにつきましては、弊社問い合わせフォームよりお願い致します。
https://www.pams-japan.com/contact/
※弊社扱いの“T‘s CRキャブレター連結バーセット”をご使用の場合は、下側バーに穴開け追加工が必要です。
Z系用CRキャブレターピッチ(75-96-75)のみへの組み込みが可能です。
フルコンを用いたCRキャブレター車のイグニッションシステム制御にも流用可能です。
(フルコンの種類によりセンサーユニットをECUに直結出来る為、専用電源ユニットが不要です)
以上お問合せ下さいませ。
ブログ記事にてご紹介させていただいております価格は消費税別の表示です。
価格は記事記載時のものとなり、後に変更される場合もありますのでご承知おきくださいませ。
ご購入時には最新の価格をご確認下さい。