夏の暑さもあるのか、エンジンの心臓でもあるオイルポンプの要望が引き続いている為、それに使用するリリーフバルブを用意しています。

極初期ロットはカワサキの純正を流用して使っていましたが、開放圧力の精度を上げる為に圧力点検後に分解して調整する事を考えると、一から作ってしまった方が早いと早い時期から自社製作に踏み切りました。

構造としては、ポンプ以降の油圧が一定以上になった際にボールがスプリングを押し下げて油圧を逃がし、ポンプ自体の破損や軸部の早期の摩耗を防止しながら、オイルラインへの必要以上の圧力を防止する為のものです。

ボディ内部のボールが当たる部分の仕上げは、無駄なオイルリークを防止する為にシリンダーヘッドのバルブシートリング並みの精度で仕上げてあります。

単純な構造ではありますが、組立時のクリップが確実に固定されていない場合、走行中に脱落して送られるべきオイルが全て抜けてしまい、エンジンブローに繋がります。
ちなみに、メーカーでもそれが理由で数百台のスーパースポーツがリコールになった事がある程です。

念には念を入れて、組立時はもちろん圧力検査後にも複数回クリップ部分の点検を行ったものをポンプ組付けに使用しています。
