前回腰下まで完成した1100Rの腰上を組んで行きます。

この1100Rは十数年前にエンジンを一度開けたようで、その際にピストン廻りはO/Sに交換し、その後1000km程度しか乗っていないと言う事でした。確かにピストン廻りはリングの当たり共に1000km程の消耗しかしておらず、カーボンを除去すれば極上ピストンでしたのでキャリーオーバーとなりました。とは言え1100Rに関しては、ピストン&リング共にSTD・0.5 O/S・1.0 O/Sと既に生産終了となっており純正ピストンを好まれる方にとっては、とても貴重なピストンですね。

カムチェーンスライダーを交換しシリンダーを落としていきます。

O/H前の入庫時

何を隠そうこの1100Rの当初の依頼はベースガスケット廻りからのオイルリーク修理でした。原因はベースガスケットをダウエルピンに挟んでしまってガスケットが切れている事でした。

ベースガスケットを挟まないように慎重に落としていきます。

ガスケットは純正を使用

EX側カムホルダーのネジ山が5か所も毟れていてトルクが全く掛っていなかったヘッド。通常のヘリサートでは修正出来ず特殊なエンザートを5か所全て製作し対応。幸いカムラインはほぼ正常でしたが、気持ち回り始めに引っかかりが見受けられたので、カムのジャーナル部をラッピング処理。バルブ廻りは全て純正新品でリフレッシュ。

1100Rはもともとがインナーシムタイプなのでシム調整が少々手間が掛ります。アウターシムタイプと違いシムを交換するのにカムシャフトを一回一回外さないといけないので、極力カムホルダーネジ山が痛まないように専用のカムホルダーセットアップボルトを使用しシム調整をしていきます。

シム調整を終えエンジンスタンドでの腰上は完成です。

オーナー様。いよいよエンジン搭載となりました。
完成まであと一歩!もう少しお待ち下さいね!!






