組み上がり最終仕上げのバルブタイミング設定中のZ1Rエンジン。
バルブタイミングも各カムシャフトメーカーから指定値が当然存在しているのですが、その値が一体どんな条件で決定されたのかまでは明記されていません。排気量、圧縮比その他諸条件でもベストな値は微妙に変化するもので、チューナーがある程度は経験値を活かしながらベストを探ってゆく事となります。
乗り手の好みという事も最終的には反映してゆかなければなりません。
そしてこちらは遠方よりOHの為、単体にて送られてきたエンジンです。輸送箱の中から取り出してエンジンスタンドにSET。これから分解&検証に入ります。少々予定が遅れてしまい申し訳ございません。箱から取り出すとドライブチェーンまでついた状態でしたが。。。
なるほど!苦労された形跡がありました。こんな時は無理せず任せて頂いてOKです!
そしてこちらは社内プロジェクトバイクのシリンダーヘッドです。まずは腰上をバラし、これから腰下を下そうという段階ですが、取り敢えず現状確認の為燃焼室にこびり付いたカーボンデポジットを除去したところです。
ヘッドはZ1000Jですが、燃焼室の形状が微妙に異なる物が数種存在し、過去に使用実績のない社外ピストンとの組み合わせ時には少々その扱いに注意が必要です。
過去には無加工で使用出来るはずのピストンが、燃焼室またはスキッシュエリアと干渉してしまったり、ピンハイトを間違えていると疑ってしまう物、どう見てもバルブの挟み角に対してリセスの角度が合っていなかったり、または無意味に大きく深いリセスだったり。はたまた言われている数値以上に圧縮が上がらなかったりという物も見てきました。この辺りは、各ピストンメーカーも様々な組み合わせや年式によるエンジンの仕様変更等、全てを把握した上で製品化しているわけではないのでしょう。アフターマーケットを対象としたピストンメーカーの場合、それを全て網羅した上でのデータ収集は結構な手間暇です。
カーボンを取り去った燃焼室。状態はかなり良い方だと思います。このエンジンはちょっと面白いイジり方をしてみようと企んでいますので楽しみにしていて下さい。