「ホームページを見てレストアをお願いしようと思って来ました。」と来店されたパープルなZ2。
外装はリペイントしてあり、スポーク等も張り替えていてオーナーがとても大切に扱っているのを感じる。そんなオーナーが今回依頼されたのはエンジンフルオーバーホール、フレームセンター出し、パウダーコート etc.といったレストア作業だ。 |
●まず外装から外し電装、バッテリーケース等細かいパーツを取り外して、使用する、しないで分別し、組み付けるまで大切に保管 | ●エンジンを丸ごと下ろしてばらすか、車載のまま腰上までばらして下ろすかはその時の作業場の状況で判断する。 |
●この状態でフレーム、ステム、フォーク、スィングアーム等測定する。 | ●エンジンを各部チェックしながらばらしていく。 |
●取り外されたヘッド。燃焼室側から | ●取り外されたバルブ、並べると各気筒の燃え方が違うのがよく分かる。 |
●バルブスプリング等は新品に交換しリフターは研磨加工する | ●スリーブのOリングが劣化しシリンダーを抜いた際に落ちてきた。新品はゴムなのにパキッと折れているのが分かるでしょうか |
●取り外したシリンダーとピストン | ●写真では分かりずらいと思うがロッド小端部とピストンピンが若干囓っていた跡がある。ただし、ラッピング処理で修正可能な範囲。 |
●ステーターコイル。発電する大事な部分。取り外しリークしてないかチェックしオイル漏れ対策も含めハーネスは作り直す。 | ●以前にマグネットローターがゆるみ空回りしたのを裏付けるクランクエンドの傷、ここも研磨修正する。 |
●フリクションプレートの取り外し。組み付け時には純正新品を使用します。 | ●フリクションプレートが割れていました。破片はどこに... |
●ボルト折れ。今まで一度も外されていないボルトは錆などで固着していて折れやすい。特に6mmボルト部分。 | ●どんどんばらされていくエンジンパーツ。泥や固着したガスケット等を取り、洗浄していく。分解作業はただばらすだけではなく部品の消耗具合等をチェックしていきながらの大切な工程です。 |
●クランクケースが割られた状態 | ●取り出されたクランク。何十年ぶりに外にでたのだろう。これから測定し芯を出す。 |
●洗浄が終わり各部チェックし、組み上げる時まで保管 | ●測定&修正を終えパウダーコートをかける為各部単体にばらす |
●リビルト、Ohを終えたクラッチバスケット&トランスミッション | ●パウダーコートしたフレーム以外のパーツ |
●パウダーコートしたフレーム これから先何十年をふまえ圧倒的な耐久性を持たす。 | |
●また何十年も働いてもらうクランクシャフト達。今度お目にかかるのは今まで以上に長いかもね。 | ●クランクケースが閉まり、スタッド入れ。 |
●純正0.5オバーサイズピストン | ●バルブシートカット後アタリをチェックする |
●シリンダーヘッドまで乗っかりました。 | ●Fフォークインナーチューブに錆が出始めていたのでリクローム加工を施す。再処理される硬質クロームは新品時の時よりも硬度、表面祖度共に上回る仕上げとなります。 |
●FフォークOhと共にスプリングをホワイトパワー製のスプリングに交換。 | ●いよいよ車体立ち上げ。 |
●車体が立ち上がりエンジン搭載。スタッフ曰くここまで来れば出来たも同然。略して出来同。 | |
●ハーネス等をはわし、マフラーや細かいパーツを組んでいく。DYNA2000エンデュランスKitで点火系も強化 | |
●ノーマルの雰囲気を出来るだけ崩さずにといったところから、新品のエアークリーナーBOXをヒートガン等で柔らかくし取り付ける | ●キャリパーOh。使っていれば大体このぐらいは汚れている。 |
●ちょっと錆が多め、これではシールをひっかいてしまうので新品に交換。 | ●キャリパーの外側を塗装、取り付けました |
●完成!!パウダーコートや電装、点火系、当時はなし得なかった技術等でリフレッシュされたため、ちゃんとメンテナンスしながら付き合えば今まで経てきた時間以上は元気良く走るでしょう。 | |
●いよいよ納車!!まずは慣らしですが、レストア前との違いはかなり感じられると思います。存分にZライフを楽しんでください。大事な車両のレストアを任せて頂いてありがとございました。今回のレストレーション作業はZ本来のオリジナリティーを極力保ったまま信頼性、耐久性、パフォーマンスをそれぞれバランス良く向上させた仕様となりました。まさに21世紀に蘇ったZ2です。 |