今回のZ1は所有して間もないがエンジンからの音がひどく大きい、オーナー自身Z1の新車時のようなフィーリングを味わいたいとの要望もあり、エンジンオーバーホールからフレーム測定、パウダーコート、電装関係等一通り手を入れ今まで走って来た年月分の消耗や劣化、撓み、歪み等全てをリフレッシュさせバランスを取り直し新車時以上のZ1へ復活させた。

●一見綺麗なZ1なんだけど... ●オイルパン、数カ月前に納車されたと聞いていたが、オイルパン清掃はしてない様子....
●細かくチェックしながらばらしていく、一度もあけられてないエンジンであっても消耗の仕方や、製造行程上のミス等この辺のエンジンは10機10色だ。
●クラッチバスケット、ここはかなりの確率で消耗している。これもスプリングのテンションが弱まりスプリングのはじが欠けて来ていた。このまま長く乗り続けるとスプリングが欠け落ちていったりと他にも影響を及ぼしていく。
●バリが残ってたと言うべきかオイルリターンホールが完全にふさがっている...。これではジェネレーター側に供給されたオイルが戻っていかないため。オイル漏れ率の高いジェネレーターカバーのハーネス取り出し部分からのオイル漏れの率をさらにあげる。ちなみにこのエンジンは一度もあけられた形跡はない。エンジンの固体差はこう言った意味でも結構あります。右写真は穴を開けたところ。レーサーにするんだったらふさがってた方がいいんだけどね。
●各部バリ取り、オイルライン洗浄、塗装等が済み、組んでいく準備の整ったクランクケース
●消耗してたクラッチバスケットをリビルトし、センターの取れたクランクケース等をのせたところ。 ●腰下がしまったところ。どう言うところに気を配るかでもエンジンは変わる。PAMS がよく新車時以上と言うのは走って来た年月をリフレッシュさせる事もそうだが、得にバランス等に気を配っているためメーカー出荷時のものに手を入れてもその違いは分かるはずだ。
●オーバーオールしたトランスミッションの動きをチェックする。 ●完全に閉まった腰下。
●今回使用する。ワイセコピストン、排気量は1015cc、ボーリングオンリーで使えるためZ1をオーバーホールする際に良くチョイスされる。
●シリンダーまで刺さったところ。ボーリングしたてのスリーブが見える。 ●今回排気量に合わせてチョイスしたのがウェブカムST-1。このハイカムもシリンダーヘッドへの加工無しで使用できるため人気がある。
●細かく部分を組んでいき車体が立ち上がるのを待つ。
●フレームやステム、スイングアームにフォークと全て歪みをチェック、修正が終わった車体。ここから全てばらしパウダーコートをかける。 ●曲がっているリム。これではいくらエンジン、フレーム等のバランスをとっても振れるっため。リムも張り替えた。
●パウダーコートが施されたフレーム。各部タップをあて組む準備。 ●Fフォークも完全分解し、オーバーホール。インナーチューブには既にリクロームが施されていたが、過去に曲がったのかその修正が完全にされいない状態でリクロームされているため部分部分で寸法が狂ってしまっている。次回サス関係をきっちりやるとのことで今回は一番動きのいいところで取りあえず組んだ。
●エンジン搭載。ここまでくればほぼ完成!?
●シム、バルブタイミングの調整等をし、圧縮を確認してカバーを閉める。 ●今回使用するCR29φキャブ。仕様や気温に合わせセッティングする。
●火を入れ、点火タイミングやキャブの同調等調整し、一旦完全にエンジンを冷まし、増し締する。 ●完全リビルトメーター。
●試乗し最終調整の後納車。迎えに来たオーナー。スタイルは入庫時と差程変わらないが仕上がりにかなり納得して頂いた様子。早く乗って頂きたい、中身の違いはさらに納得していただけるはず。