Zを所有されている方である程度自分でやれるプライベーターはPAMSのお客様の中にも沢山いらっしゃいます。今回車体からエンジンを降ろし、エンジンのみ持ち込まれたのもそんなプライベーターの方でした。途中までご自分でやられたようですが、不安要素があるということで、細かいチェックとエンジン組み上げまでの作業をご依頼頂きました。

●持ち込まれた状態、腰上はほとんどばらされていて、ノーマルのピストンがコンロッドに付いた状態の腰下。
●折れたチェーンスライダーがクランクケースデッキ面に残っていました。エンジン全体の状態は要OH時期をかなりすぎていたことが見受けられる。 ●腰下まで完全に分解し、オーナーにお見せしながら説明できるように並べてある状態。腰下消耗部の定番となっているクラッチバスケット等も実際どれほど消耗してしまっているのか等実物をオーナーに見て頂く。
●シリンダーヘッドから外したバルブ......。一時期流行った音に反応し踊るおもちゃのように、見事に曲がってしまっています。チェーンスライダーが完全に折れていたこともあるが、カムチェーン廻りで何かが起こり、カムチェーンの駒が飛びバルタイが狂いバルブとピストンがヒットしたと思われる。オーナーはこれによる影響を気にされていたので入念にチェックすると共に内容を打ち合わせた。
●今回、かちっとしたエンジンに組み上げたいと言うことで、表面も奇麗にウェットブラストをあてたシルバー地のエンジン。リビルトしたクラッチバスケット、完全にOHしたトランスミッション、芯をきっちり出したクランクシャフトが組込まれ、閉められたクランクケース。
●完全に腰下がしまり、シフトフォーク等を組み、トランスミッションの動きをチェックする。 ●エンジン台をくるりと回し、腰上の組み付け。OHと共にワイセコ鍛造ピストンの73mmへボアアウト。
●Z専用のクリアランスでボーリングされたシリンダーを差したところ。クロスハッチの目も写真では見にくいが奇麗についている。動かすのがもったいない気もするぐらい奇麗だ。 ●バルブは選択の余地はなく新品へ交換。バルブガイドも打ち変え、シートカット摺り合わせを施したヘッドを搭載。
●カムシャフトを乗せシムのクリアランス調整をし、圧縮まで測ってのお渡し、比率的には黒エンジンにする方が多いが、ウェットブラスト地のシルバーエンジンもすごく奇麗です。PAMSではエンジンのみの持込みでOHも承っています。勿論ボーリングのみとかシリンダーヘッドのOHのみ等も受けています。車体に組み付け後、「組み上がりました〜」なんて乗って来てくれると結構うれしいものです。チェックもしてあげられますしね。