一見、大事にされながらやれていて良い味の出ているイエローボール。クラッチが滑ると入庫したがクラッチカバーを開けてみると、明らかに中で何かが暴れた傷が付いていた。しかしクラッチカバー側には傷一つ付いていないため、以前どこかで作業した際に起きた傷だと判断し、クラッチのオーバーホールにかかったところ、メタルプレート、クラッチバスケットにかなりの錆が見られた為、腰下の状態は良い状態ではないとオーナーに伝えた。オーナーによると以前に腰上だけはオーバーホールしていて、腰下は何一つ手をつけていないとのことで気にはなっていたようだ。今回腰上は手を付けず、腰下のオーバーホールを施す事になった。

●やれてはいるが大事にされている。 ●痛々しい傷後、いったい何が起こったのだろう。ボルトが抜けたのか???
●御覧の通りカバー側には傷一つない。あれだけの傷だからもしかしたらカバーが割れて交換したかもしれない。 ●これフリクションプレートではなくメタルプレートです。錆が酷い。
●上に並んでいるのが新品のメタルプレート。 ●衝撃がプレッシャープレートの裏迄及んでいる。
●エンジンをばらしはじめる ●以前腰上をオーバーホールした時に施されたと思われるスリーブの滑り止め。
●折れてしまっているチェンジリターンスプリング。これもよく見られる劣化現象。 ●何十年ぶりかに解放されたクランクやトランスミッション達。
●ばらしたエンジンを並べオーナーに細かく状態を説明する。
クランクの芯だしクラッチバスケットのリビアルトトランスミッションのo/h等を済ませ組み込まれた状態。 ●クランクケースが閉めたところ。又何十年と働いてもらいます。
●ピストンを組み込む準備。 ●ピストンはキャリーオーバーのためリング溝まできっちり洗浄し、新品のピストンリングを組み込んだ。
●シリンダーが着地する寸前。 ●EXスタッドも打替えたシリンダーヘッド搭載。バケット鏡面研摩や各部バリ取り済み
●カムまで乗った状態。いまさらだがこれがDOHC。
●エンジン搭載準備。 ●エンジン搭載完了。シム調整をし圧縮比等をチェックした後にカムカバーを閉める。
●今回エンジンオーバーホールでせっかく綺麗になった燃焼室にすぐカーボンを積もらせないよう、吸気も気にかけ完全リビルト
●消耗し、取り除かれたジェットや細かいパーツ。 ●仕上がったノーマルキャブ。エンジン、電装等がしっかりしているのにも関わらずセッティングが出ないのはキャブ自体を見直した方が良いかもね。
●消耗部はもちろんのこと見た目も綺麗になるのでノーマル派には欠かせません。
●火を入れ増し締め、試乗等をくり返し、納車準備万端。
愛車を迎えに来たオーナー。凄く自然な感じで強い日射しのなか店を後にしました。大事にされているZはいきいきしてますね。これからも愛車と共にZライフを満喫して下さい。