腰上オーバーホール21

毎日の通勤に始まりオールマイティな付き合いを深めたオーナーとZ１。今回はこの先も不安無く乗り続けられるようにと疲れの見え始めたエンジンにメスを入れさせて頂きました。


●ヘッドカバーを開けるとカムメタルが一カ所ありません。どこかに逃げてしまったわけでもなさそうで、今回最も不思議な現象。
	●スタンダードサイズ純正ピストンとご対面。全体的に消耗は進んでいる物の大きな損傷は認められず。ただし各気筒とも異常に当たりのキツい場所が発生しており気なります。
	●腰上の分解を終え腰下をフレームから降ろします。
	●分解されたエンジン。これから洗浄点検を進めます。


●トラなすミッションの分解、各部消耗度合いのチェック。
	●突然ですが内燃機加工の完了したシリンダーヘッドとシリンダーブロック。


●トランスミッション組み立て。使用するベアリングその他全て純正品です。
	●クランクセンターを初めとする各部クリアランス等に問題の無い事を確認してクランクをアッパーケースにセットしたところ。


●クランクに続き組み立ての終わったトランスミッションもケースにセット。バックラッシュ等のチェックを進めます。
	●ロアケースと締結を済ませ腰下が閉まったところです。新品純正シリンダースタッドボルトに全て交換しました。

●今回使用するのは純正0.5mmオーバーサイズピストンです。ピストンヘッドに打たれた0.5の文字がオーバーサイズの印。
	●コンロッドにピストンをセットしたところです。

●プラトーフィニッシュにて加工を終えたライナー。	●スライダーも新品純正。

●シリンダーを組み込んだところ。

●純正アイドラーギアをセット。センタートンネル部にセットした異形Oリングも純正新品です。

●シリンダーヘッド組み立ての用意。バルブガイドを除き、こちらも全て純正品または純正流用品を使用しております。バルブガイドはPamsオリジナル鋳鉄ガイドとなります。	●バルブをセットした燃焼室。シートからプラグホールに走り易いクラック等も無く良好な状態です。ちなみにこのクラックですが小さな物であればへたに溶接等で修正しない方が良い場合もありますので注意が必要です。

●組み立てが完了したシリンダーヘッドを載せたところです。	●リフターも純正流用品に交換しました。以外と見過ごされがちな場所ですが長年の使用により形状が変化したものも少なくありません。

●ノーマルカムシャフトをセットします。余程オイル管理等が悪かったりそれに伴って過走行等を経たエンジンでない限り再使用不可能な程痛んだカムシャフトは珍しいケースです。このカムシャフトも洗浄後に少し磨いただけでご覧の用な状態に。

●今回クラッチハブは消耗度合いが少なく程度が良かったためそのまま再使用。ただしクラッチプレートは軽さと切れの良さを狙いPamsオリジナルコンプリートクラッチキットを使用しました。

●組み上がったエンジンを車体に搭載したところです。

	●火入れに向けマフラー等その他補器類を装着。

●無事火入れも完了し生まれ変わったエンジンは静々とアイドリングを奏で始めました。
	●試乗重ねようやく完成、あとはオーナーさんに手渡すのを待つのみです。
	●納車当日。あまりにも静かにそして安定してアイドリングを打つ愛機のエンジンに驚きながらも喜んで頂いているところ。この先もずっとかわいがってあげてくださいね。今回は大切な愛車のオーバーホールを任せて頂きありがとうございました。